核酸はフランスなどでは医薬品。
核酸は人類に不可欠な最後の必須栄養素
私たちヒトの体は、37兆個(以前は「60兆個」)もの細胞から作られています。( それぞれ1つの細胞が2つに分裂して全く同じ細胞を作り出す『細胞分裂』によって新しい細胞に生まれ変わっています。そのサイクルは2~200日、いわゆるこれが『新陳代謝』です。
細胞が分裂するときにまず2つに分かれる「核」。この核の中の『酸性の物質』こそが核酸です。この核の中に大量にあるのがDNA(デオキシリボ核酸)、核のまわりの細胞質にあるのがRNA(リボ核酸)。この2つがセットになって細胞分裂を担っています。ここからは「核酸と言えばこのDNAとRNA」のこととします。
因みに全身にある細胞の一つずつに約60億個の核酸(塩基)からなる遺伝子・染色体が細胞核に格納されています。細胞核がない細胞は「赤血球」のみと言われています。
DNAは二重らせん構造をしていて、はしごに例えてみると横木を作るのが4種類の塩基(ヌクレオチド)です。このアデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、グアニン(G)のたった4種の並び方こそが遺伝情報そのものです。このDNAの遺伝情報は、一人一人微妙に違っていて姿、形、性格の異なる個性を作り上げる基となります。これに基づいてRNAは設計図通りに作業をする大工さんという関係です。核酸(DNA、RNA)は自分自身を作り上げ続けるための人体の基礎、生命の源と言えるものなのです。
病気や老化の鍵を握る遺伝子
DNAは、遺伝子を支配する遺伝情報(遺伝子)です。遺伝子は組み込まれた設計図に従って作られるタンパク質の種類や量が決定されます。この設計図に間違いが起こると当然、様々な弊害が起きてきます。 最近の研究では、がん、心臓病、糖尿病、高血圧などの生活習慣病、痴呆症、さらにはアトピー性皮膚炎などの自己免疫に関わる病気の原因にも遺伝子が間違っていたり傷つけられていることと関わりがあることが明らかになりました。
こうした状況の中、現代医学では15年ほど前から間違った遺伝子治療んい取り組み始めています。しかし、将来的に有望視される遺伝子治療も現在は、研究段階にあり原因遺伝子がはっきりしているごく一部の疾患に限られています。そこで私たちが現在できる最善の方法は、がんだけでなく多くの病気を予防するために遺伝子が傷つかないよう設計図を間違わないよう自分自身で守ることです。
もちろん、遺伝子には、遺伝子自身が自ら修復したり、修復できないものは末梢(アポトーシス)させたり、正常な遺伝子を必要に応じて必要なだけ分裂増殖させるプログラムもあります。
しかし、大事なことは、減ってしまった細胞を補給したり、細胞分裂(新陳代謝)を順調に促進したり、遺伝子を修復させるためには、核酸がどうしても不可欠な栄養素であると言うことです。遺伝子にとって最も大切な栄養素として核酸は今、世界的な注目を集めています。
核酸は、人間のレスキュー食
核酸は、新陳代謝を活発にし、臓器の老化を遅らせ遺伝子の損傷を防ぎ修復するので体内にふんだんに核酸があることが私たちが病気知らずでいつまでも若々しく健康でいる条件と言えます。
核酸は、体内の肝臓で合成する方法(デノボ合成)と食品からとった核酸を各細胞で再利用する方法(サルベージ合成)の2種類によって作られています。ところが肝機能は年と共に衰えていき特に20歳を過ぎるとデノボ合成力は低下して体内に蓄えられている核酸の量が慢性的に不足すると考えられています。老化、ストレスや病気等で核酸の合成量が低下したり必要量が増加すると細胞も老化し新陳代謝も悪くなり遺伝子の修復力も弱くなります。この悪循環を断つためにも外から核酸を十分に補給することが必要となります。40兆個の細胞が順調に機能するためには、食事からも核酸を取り入れる必要性が年を重ねるごとに増してきます。
生物の細胞には、当然核酸は、含まれていますが、植物の種子お米の核酸は精米でそぎ落とされる胚芽の部分にありほとんど摂られていません。タンパク質の少ない食品には、核酸の量が少なく、精製食品、たとえば白砂糖や油脂・でん粉などにはほとんど含まれていません。また、高たんぱくの食品牛乳は、細胞ではないのでほとんど含まれません。一つの細胞である卵にもわずかです。ずば抜けて多いのが鮭の白子、次いでフグの白子とビール酵母です。一般的には、いりこ、ちりめんじゃこ、大豆、貝類、乾燥海苔、きのこなどにも比較的多くの核酸が含まれています。
ユネスコ「和食 日本人の伝統的な食文化」が無形文化遺産に登録された今、伝統食材と調理法を工夫し、積極的に核酸補助食品をとることは、非常に重要な意味をもっています。
遺伝子を傷つけるものたち
遺伝子を傷つける原因の一つに「ウイルス」があり、ウィルスの中には寄生した細胞のDNAを利用しその細胞の正常なDNAを利用しその細胞の正常なDNAを狂わせます。
何と言っても最大の原因は、酸素です。酸素は、体の中で食物をエネルギーに帰るために使われる過程で酸化力の非常に強い悪玉酸素(活性酸素)を生み出すのです。
これこそ遺伝子を傷つける最大の悪役。おまけに脂質を酸化させ動脈硬化を始めとする生活習慣病を引き起こしたり老化を引き起こす原因となります。発生する機会は、日常生活のあらゆる所にあります。
しかし、体の中には、遺伝子が傷つくのを防ぐ「スーパーオキサイドディスムターゼ」SDOという解毒酵素がありますが体内での合成能力には食生活の違いによる個人差があります。その理由には食生活があります。SDOは、鉄やマンガンなどのミネラルと結びついて初めて威力を発揮し、ビタミンやミネラルなどの抗酸化物質、中でも核酸DNAとRNAの成分が分解されてできる尿酸には強力な抗酸化力がありますがこれだけでは遺伝子が完璧に守れるものではないのが現状です。
驚異的な核酸の働き
- 新陳代謝を即す
- 血流を良くする
- 抗酸化作用
- ダイエット
- 痴呆症の防止、記憶力を良くする
- 美顔・脱毛・精力増強に効果を発揮します。
成人してからは増殖しない脳神経細胞などの特殊なものを除くとほとんどの細胞は新陳代謝で新しくなります。部位によっては、速いサイクル、例えば皮膚は20日、髪の毛は毎日50~60本、精子は3~10日、小腸は二週間程度で全て新たに生まれ変わります。ということは、核酸を補給し始めて最も速く効果が現れるのもこういう部位です。
- 冷え性・脳血栓・動脈硬化・心筋梗塞などの血流障害と非常に密接な関係があります。DNAやRNAの核酸を構成する成分の一つ、アデノシンという物質には強力な末梢血管拡張作用があり血流を増加させます。また胃腸の血流量も増加するので消化力もアップ。
- 活性酸素から遺伝子を守るビタミンEよりも強い働きが核酸成分にあるため遺伝子の損傷を未然に防ぎます。老化やがん、白内障など活性酸素が原因の症状に効果的です。
- ダイエットに運動が欠かせないのは新陳代謝を活発にするためです。ですから新陳代謝を促す核酸をとれば必然的にダイエットできるというわけです。核酸に含まれるアデノシンという物質には糖の分解を鮭の白子エキスを原料とする核酸食品にふくまれるプロタミンという塩基性タンパク質には脂肪の吸収を遅らせる働きがありますからダイエットには好都合です。
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アルツハイマー型痴呆症は、活性酸素による脳細胞の減少により、リポフィスチンという物質が脳内に蓄積されることや脳内のRNAが減少する等が原因と考えられています。核酸は脳細胞を修復してリポフィスチンの増加を防ぐと考えられています。脳血管性の痴ほう症は、核酸成分のひとつアデノシンが末梢血管を拡張して血流を良くするので効果的です。
病気の予防や治療、健康促進に役立つ核酸
核酸は生命の源です。中国、フランスでは鮭の白子から脂肪やコレステロールなどの気になる部分を取り除いた抽出エキスが、すでに医薬品として使われています。日本では、現在、健康食品として取り扱われています。
核酸は、新陳代謝を活発にしたり傷ついた遺伝子を修復するため、病気の予防や治療ばかりでなく健康な人にも十分有効です。一人でも多くの方に核酸の重要性を理解していただき自らの健康を守っていただくお手伝いになればと思います。
核酸不足によって加速される老化現象
- 1.細胞の分裂・増殖が遅くなることによるもの
- 肌の老化(肌荒れ、肌のたるみ、小じわ、シミ)
……表皮基底層の細胞分裂が遅くなるため
- 胃腸の老化(消化吸収力の低下、慢性の便秘、下痢等)
……消化器の粘膜や絨毛上皮細胞の再生が遅くなったり、ぜん動運動が弱まるため
- 血液の老化(貧血、白血球減少による免疫力の低下、血小板減少等)
……骨髄による血球生産能力が低下するため
- 組織の再生能力の低下(骨折や傷の治りが遅くなる。肝炎などで死んだ細胞の再生が遅くなる)
……組織の再生の時は細胞分裂のために大量の核酸が必要になるため
- 精子生産能力の低下(精力減退、男性原因赴任)
……精子はDNAの固まりで、核酸が不足すると精子を正常に生産できなくなるため
- 成長不良・虚弱体質(小児の場合)
- 肥満
- 2.遺伝子制御・修復機能および抗酸化機能の低下によるもの
- がんの危険が高まる
- 動脈硬化およびそれに起因する心疾患、脳血管疾患等が進行する
- 糖尿病の危険が高まる
- その他すべての老化現象が加速される
- 3.神経系の機能異常によるもの(特にRNAに関係)
- 記憶力の減退
- 痴呆症の進行
- パーキンソン病、突発性難聴、てんかん、その他神経系疾患の危険が高まる